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外観検査装置とは?専用装置、汎用装置のご紹介

外観検査装置とは?専用装置、汎用装置のご紹介

外観検査の自動化


外観検査とは食品、部品や製品の外観を検査することです。
品質問題が多発する昨今、製造業の現場では、より一層高い検査品質が求められています。
その一方で、技術の発展が著しい生産工程の中でも自動化が遅れているのが検査工程とも言われています。
日本では検査工程に60万人超の人材が従事していますが、
検査コストが大きいことだけでなく、製造業離れや、高齢者が進んでいるのが現状があり、
検査工程の自動化に取り組みたいと考えている企業は半数を超えています。

外観検査装置とは


外観検査装置は、製品の外観をカメラ照明などの撮像機器を用いて自動で検査するための自動装置です。
一般に、製造した部品や製品の表面の異物、バリ、汚れ、ひび、割れ、欠けといった外観の検査を行い、高速で判定します。
外観検査を行う工程には、製造段階、製品の組み付け後、受入時等の検査があります。

メリット


外観検査装置は、目視検査に比べて以下のようなメリットがあります。

・検査員の体調や能力差などの判定のばらつきがない
・判定基準が定量的になり、一定の基準で検査できる
・定量評価した検査の統計を記録できる。
・処理が高速なため、大量生産されているラインで全数検査が可能になる
・高解像度のカメラや高倍率のレンズを用いれば目視で難しい細かい欠陥の検査が可能になる

デメリット


その一方で、以下のようなデメリットがあります。コスト、構成の専門性については後述します。
・イニシャルコストがかかる
・構成要素が専門的で、導入/維持に手間がかかるケースが多い

装置の構成


一般的に、外観検査装置は以下のような構成になります。
自動検査の実現には、以下を上手く生産システムとして連携させる必要があります。

・物体検知センサー
・カメラ/照明
・外観検査ソフトウェア
・マテリアルハンドリング(供給・搬送・排出)
・検査記録機能/分析機能

物体検知センサーはカメラと検査対象の搬送との同期を取って撮像するために用います。

一般に、カメラはエリアスキャンカメラやラインスキャンカメラなど、用途によるセンシング方式の違いや、対象ライン速度に合わせて同期が可能で、フレームレートが適合するような、専用の産業用カメラを使用します。
また、照明についても、対象物に照明を当てて、外乱光の影響を低減しながら均一に明るく照らすように構成することが一般的で、バー照明、ドーム照明、同軸落射照明など、様々な照明があります。

外観検査ソフトウェアは、対象物の形状や外観検査基準に応じたソフトウェアの画像処理設定・AIの学習などの最適化を行います。

マテリアルハンドリングでは、ベルトコンベアでの搬送から、対象物が円筒の場合は回転動作をさせる、平板の場合は反転動作をさせる等、人で様々な検査面を確認するのと同様に対象物を制御する機構が必要になります。

外観検査装置のコストの項目


外観検査装置のコストは、一般的に以下のような項目があり、装置全体で数百万円~数千万円程度になることが一般的です。
多品種であったり、立体的で複数の検査箇所がある場合、コストが大きくなることがあります。
しかしながら、ランニングコストも含めて考えるとコスト削減に繋がる場合も多くあります。
検査に人件費、今後の後継者人材不足といった問題や、先述の検査安定性・高度化での付加価値も考慮しながら検討することが重要です。

・評価
・実証・検証
・ソフトウェアライセンス
・開発
・導入ハード機器
・サポート

外観検査装置の用途やメーカー例


外観検査装置には、専用装置と汎用装置の2つの種類があります。
専用装置は、特定の製品や部品に対して装置の構造設計や検査アルゴリズムがカスタマイズされた装置であり、
高い精度や信頼性、高速性を要求される業界、特定の形状・性状のワークを対象に使用されることが多いです。

専用装置の例


例えば以下のような例があります。
・半導体検査装置
・電子基板検査装置
・医療機器検査装置
・自動フィルム検査装置
・自動検反装置

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専用装置として例えば半導体検査装置は、ウェハー(半導体素子が複数個載っている基板)やパッケージ(素子を守るためのケース)などを対象に、
外観不良(ヒビ、キズ、汚れなど)を検査するための装置。CCDカメラやレーザー、画像処理ソフトなどを含んだ、外観検査の機能と、
テスターやロジックアナライザ電気的な性能(電圧、電流、抵抗など)を測定するための電気特性検査の機能など複数の機能の構成からなるケースもあります。

その他、フィルム検査装置などは、主にシート・フィルムの製造工程における異物・ピンホール・シワなどの欠陥・不具合が生じていないか確認・検査する用途で用いられます。
高速な製造ラインに適合できるように、ラインスキャンカメラと画像処理を組合わせて検査を実現しています。
近年では、印刷されたフィルム、フローリング材、ガラス材などの外観における、より複雑な表面の対象での目での確認が難しい欠陥検査にも用いられるようになってきています。
検反装置は、フィルム検査と同様、シート状の検査ですが、生地の色合い、糸切れ、段、ネップ、異物、等の様々な欠陥種の検査を扱います。
これらのシート状検査は、一般に大面積で高速な対象の微細な欠陥を検出する必要があります。

一方、汎用装置は、複数の種類の製品や部品に対して使用できるように設計された汎用的な装置であり、比較的低コストで導入が可能です。
例えば、食品、自動車部品の内、検査面数が少なく(マテリアルハンドリングが少ない)、2値化・エッジ抽出等の一般的な画像処理ロジックの構成で実現できる検査に使用されます。

外観検査装置メーカー例


外観検査装置メーカーには以下のような会社・製品があります。

東京ウエルズ
会社HP:https://www.tokyoweld.com/
製品:https://www.tokyoweld.com/products/

タカノ
会社HP:https://www.takano-kensa.com/
製品:https://www.takano-kensa.com/kensa/products/film/

デクシス
会社HP:https://decsys.co.jp/
製品:https://decsys.co.jp/product/

竹中システム
会社HP:https://www.takex-system.co.jp/
製品:https://www.takex-system.co.jp/products/ctrl/

エヌシーエー
会社HP:http://www.nca-mfg.co.jp/
製品:http://www.nca-mfg.co.jp/products

 

GE-01のご紹介


当社では、外観検査ソフトウェアGemini eyeシリーズをベースと外観検査装置の汎用機(ベースマシン)をご用意しております。

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ベースマシンを元に、搬送は既存の生産ラインのコンベアに適合する形でも新設する形でも柔軟に対応ができます。

搬送やNG排出、フィーダーユニット、複数画角対応など希望に合わせ承ります。
日々追加される新機能や精度向上したAI アルゴリズムを利用可能で、常に最先端の技術を利用することで外観検査のレベルアップを図ることができます。
GE-01を元に、これまで難しかった、フローリング材、食品包装、金属の切削面など画像処理では難しかった様々な対象・お客様に対して素早い導入を実現してきました。

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さらに、カメラを複数取付、複数画角の同時検査も実現できます。