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外観検査用照明の選び方と主要メーカー

外観検査用照明の選び方と主要メーカー

外観検査における照明とは


自動で外観検査を行うために、カメラで撮像した画像を使って検査をすることが一般的です。
画像検査用いる撮像機器には、産業用のカメラと照明を用いることが一般的です。
産業用カメラは、民生品のカメラとは異なり、自動で色味などの調整をするよりは、動作の安定性や設備との連携ができることが求められています。
この時、照明は、部屋の蛍光灯などで照らせばよいというものではないと言うところが注意すべき点です。

検査する画像が、照明の揺らぎがあったり、影が入ったりなど、揺らぎがあるような状態で行わないようにすることや、
検出したいキズなどの欠陥や、認識したい文字などが、はっきりと分かる検査画像を撮ることが重要です。
そのため、適切な照明を検査対象ワークに当てて安定した判定ができるようにすることが画像検査には欠かせません。

照明の種類


光源


白熱電球の一種であるハロゲンランプなどがかつて光源として用いられていました。
フィラメントに電流を流すことで発熱し、その時の放射の原理によって光を発する光源です。
一方で、近年では、画像検査はLEDが主流になっています。
LEDとは光を発するダイオード(半導体素子)であり、青、赤、緑などの3原色や、赤外(IR)、紫外(UV)含め、様々な色(波長)を表現することができます。
LEDは省電力・長寿命であることや、点灯のONOFFの応答が良い、形状自由度が高い、コンパクトにできるという特性から、画像検査の用途の主要な光源となりました。

 

照明の形状の種類





































照明種類 特徴 用途
リング照明 発行面がリング状の照明です。照射角度が水平に近いものから、下方に角度を付けたもの、光の指向性の高いもの、拡散性が高いものまで、まで様々あります。 カメラと照明を同軸にして同心状に均一な照射をしたいときや、ロボットアームでカメラと照明を持たせたい時などに多く用いられます。
バー照明 発行面が長方形の照明です。光の指向性、拡散性が高いものがあります。 シーと検査のような長尺のものや、欠陥形状に方向性がり、一方向からの照射で陰影をつけやすいケースに用いられます。
同軸落射照明 ハーフミラーによって、カメラの軸と、照明の光軸が一致する方式の照明です。正反射する面は明るく見え、それ以外は暗く見える特性があります。 鏡面などの平滑な平面にあるキズなどを検出する用途に多く用いられます。
バックライト照明 物体の後ろ側から照射する照明です。物体の輪郭を取得したり、ある程度透過する対象の内部構造を浮き立たせることができます。 寸法計測や、ボトル液面検査などに用いられます。
ドーム照明 上面や周囲から、均一な光を照射する方式の照明です。 大きい対象であったり、ラベルなどの光沢があってハレーションをしやすい対象に対して用いられます。

 

照明の選定の流れ


照明の選定は以下の流れで考えます。

1.照明の当て方の決定
検出したい欠陥・対象の特徴を見ます。表面が平面化、曲面か、凹凸などからあるかなどから、正反射光、拡散反射光、透過光などの種類を決定します。
見たい対象が目立つか、ハレーションなどによって欠陥が見えにくくなってしまわないか、影になってしまい見えない部分はないか、といった観点から決定します。

2.照明形状を決める
決定した照明の当て方が実現できるようにリングやドーム、同軸落射照明などの照明形状を決定します。
単純にワーク形状から決定する場合だけでなく、設置環境を考慮して、コンパクト、搬送を阻害しないなどの条件を守りながら照明種をけってします。

3.照明の色(波長)を決める
人間は白色光で対象を見ますが、欠陥がより見やすくなるように色(光の波長)を変えることがあります。
微細な欠陥は、波長が短い(青など)方が見やすいケースや、汚れなどの波長による吸光度差を利用して、青などの吸光度の高い色を選定するケースもあります。
また、特殊なケースとして、樹脂に対して近赤外光で透過照明を当てるなど、可視光以外の波長を使うことも手段としてあり得ます。

 

産業用照明を取り扱うメーカー5選


日進電子工業株式会社


工業・産業用途向けのLED照明・ストロボ照明・フラッシュ光源装置を製造、販売しており、製品のラインナップは数百に及ぶ多彩な機種、バリエーションを提供しています。
製品の企画、開発・回路設計から製造、出荷まで全行程にわたり内製の一貫体制を取っています。

会社URL : https://www.nissin-ele.co.jp/first/index.php

 

レイマック


工業・産業用途向けのLED照明を始めとして、多種多様な産業用照明を提供するとともに、FA企業として創業した歴史から、機械設計・電気設計・パソコンソフト・マイコンソフト・シーケンスソフト・組立等幅広い分野に精通した企業です。

会社URL : https://leimac.jp

 

京都電機器株式会社


長年培ってきた固有の技術を元に直流電源、交流電源、高圧電源を設計開発力にも特色があります。画像処理用LED照明は、高均一・高出力な発光を追求し、永年培った電源技術を駆使して、高安定度に制御できるコントローラーも多種開発・提供しています。
また、顧客のご要望に合った形状の画像処理用LED照明をカスタマイズ品も提供しています。

会社URL : https://www.kdn.co.jp

 

有限会社シマテック


自動検査装置メーカーとしてスタートし、また、国内で初めて画像処理用LED照明器の開発に成功した企業として、自由な発想で製品を開発・提供しています。
当社のマルチライティング技術はワークからLED照明器までの高さを変更し、照射角度を変えながら、画像処理に最適な画像を得る技術を有しています。
顧客のご要望に合わせたカスタマイズ品なども提供しています。

会社URL : https://www.shimatec-led.com

 

アイテックシステム


検査用LED照明に加え、UV照射器、照射装置、硬化用UV(紫外線)照射器など、特色ある製品を販売しています。また、画像処理、目視検査用LED照明の通販サイトの光shopを展開しており、バー照明、リング照明、面照明、同軸落射照明、ドーム照明などを高品質×低価格+短納期をコンセプトにサービスを提供しています。

会社URL : https://aitecsystem.co.jp/category/uv-led/